2013年09月02日

一つ火

今年のお盆は、送り出しまですることができました。
迎え、慰め、送り…死者の像を描き思いを寄せる、お盆の灯りはあの世とこの世の境目にいるような不思議な感覚になります。

さて、仏壇や神棚には原則として二つの光を灯しますが、これにも神話との関わりがあります。

イザナミを追って黄泉の国へ出かけたイザナキ。
イザナミが黄泉の神々と相談して来るので、その間決して中を見ないでほしいと言われたにもかかわず、イザナキは待ちきれなくなって中を覗いてしまいます。
しかし中は真っ暗だったため、髪にさしてあった櫛の歯を一本折り、それに“一つ火”を灯しました。
するとイザナキの目に飛び込んできたのは、腐敗して蛆にまみれ変わり果てた妻の姿でした。
イザナキは驚き逃げ出し、最後には夫婦別離の呪文を述べて、二柱の神は永遠に決別することになったのです。

イザナミが一つ火を灯し、変わり果てたイザナミを見てしまったことから、一つ火は縁起の悪いこととして忌み嫌われるようになったとのことです。

ここまで書いて家に帰ったら、我が家の仏壇も神棚も蝋燭が1本しかありませんでした。
ちょうど和尚さんがいらしたので聞いてみると、「大事なのは手を合わせて感謝すること」と言われてしまいました…(;´Д`)

皆さまはどのようなお盆休みを過ごされましたか?

一つ火



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Posted by カワノ at 16:49│Comments(0)うんちく
 
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